REPORT

2021.03.26

若手&現場職員の介護のリアルin京都|介護の仕事研究セミナーVol.4レポート

京都の福祉法人の若手&現場職員の対談

2月7日、介護の仕事研究室「セミナーVOL.4 若手&現場職員の介護のリアルin京都」を開催しました。
介護の仕事研究セミナーの最終回では、京都で介護事業に取り組む福祉法人の若手職員や現場職員にご登壇いただきました。
現場では何が行われているのか。働いてみて実際はどうだったか。どんなきっかけで、どういう基準で今の法人選んだのか。まさに「介護のリアル」を語っていただいた最終回。

学生のみなさんからもリクエストの多かった今回は、ゲストの話を聞くだけではなく、グループにわかれて職員さんに直接気になることを聞ける形式で開催しました。

●登壇法人の紹介

社会福祉法人くらしのハーモニー

最期まで地域で「楽しく生きる」をつくる福祉
誰もが住み慣れた地域で、お互いに学び合い、困った時には助け合い、ともに暮らせる社会・地域をつくるために福祉事業や地域活動を行っています。「住民主体の地域活動サポート拠点」として、「サードライフの場づくり」などに取り組んでいます。

社会福祉法人カトリック京都司教区カリタス会

介護のイメージを変える「働きやすさ」と「やりがい」

地域をつながりながら、自宅と同じように食べたいものを食べ、やりたいことして過ごせる個別ケアを大切にしています。職員間の情報共有をフォローするインカムや記録のICT化など、さまざまな福祉機器を導入。利用者にも職員にもやさしい環境です。

社会福祉法人リガーレ暮らしの架け橋

地域とともに一人ひとりの暮らしをつなぐケア
近所のスーパーで買い物をする。子どもたちと夏祭りに出かける。孫の結婚式に参加する。一人ひとりのあたりまえの暮らしを続けるために、施設でできないことなら地域とつながり実現していく。そんなクリエイティブな取り組みを、日常のケアで展開しています。

社会福祉法人京都福祉サービス協会

モノづくりが高齢者と地域をつなぐ架け橋に!
モノづくりが利用者同士の絆を育み、地域社会ともつながっていく。そんな想いで立ち上げたブランド『sitte』。ライフスタイルショップ「mumokuteki」とコラボし、高校生や行政とも協力しながら、「ほんとうに良いもの」を届けるという社会参加を実現します。

●グループセッション

社会福祉法人くらしのハーモニー 編

Q:福祉には高齢、障害、児童などさまざまな分野がある中で、高齢分野を選んだ理由はなんですか?
現場職員:僕は福祉系の大学で社会福祉を学びました。
社会福祉の中でも、地域をよりよくするための知識や考え方をに身につける学科だったので、将来は漠然と相談職や社会福祉協議会で地域のために働きたいなと思っていたんです。
ターニングポイントは、京都の福祉就職フェアで、現在も働いている「くらしのハーモニー」に出会ったこと。
職員さんにいろいろ話を聞き、地域をとても大事にしているところに魅力を感じました。つまり、結果的に高齢分野だったというわけなんです。
常にボランティアさんも出入りしていたり、法人として地域の行事に参加したり、地域の人たちといっしょに地域をよくしていく姿勢に共感して入職を決意しました。

若手職員:障害福祉に興味をもち、福祉系の専門学校に進学しました。
1回生のときに障害福祉の実習に参加し、2回生のときにいちおう高齢者施設も知っておこうという感覚で実習希望を出した先が、くらしのハーモニーでした。
実習を通して高齢者福祉の印象がガラッと変わったことが、高齢分野へ進むきっかけになりました。
それまで抱いていた暗いイメージが、明るく楽しいイメージに。職場の人間関係も好印象で、すごく丁寧に指導していただきました。実習が終わってからもアルバイトしないかとお声かけいただき、そのまま入職させていただいた流れです。学生のときは排泄介助をすることへの抵抗もありましたが、やってみたら意外となんの抵抗もなくできました。

Q:介護業界に就職するうえで、いちばん重要なことはなんでしょうか?
現場職員:その人の権利、生きがい、人生を大事にすることだと思います。
いろんな介護や介助は、その利用者さまの人権やその人らしさを守ったり、引き出すためのもの。
「ここで生活していいんだ」「生きていていいんだ」と安心してもらえることが、介護のいちばん大切な仕事です。


社会福祉法人カトリック京都司教区カリタス会 編

Q:入職後、この法人を選んでよかったと思うことはなんですか?
若手職員:大学で福祉の勉強をしていて実習にも行きましたが、福祉に対していいイメージがもてないままでした。
「暗い」「しんどい」「決まりごとが多い」みたいなイメージです。
ところがカリタス会は、入居者さまのことを第一に考えているなら、新しいチャレンジをさせてもらえることが多くあります。先輩方も新たな取り組みに協力的で、アドバイスもしてくださいます。そういった自由度の高さを、入職後あらためて感じました。

Q:介護の仕事をするうえで、大切にしていることはなんですか?
若手職員:「誠実」であることです。いつ、誰に見られてても恥ずかしくないように働きたいと思っています。
認知症の方は、よくもわるくも今あったことを忘れてしまいます。
でも、「なんかいいな」や「なんかいやだったな」ということは覚えておられるので、「あの子がいたら大丈夫」となんとなくでも安心していただきたいんです。そういう意味でも「誠実さ」は大切にしていきたいですね。

Q:施設選びのポイントはなんでしょうか?
若手職員:私が就職先を選ぶ基準にしたことは、自分の親がここの施設に入って安心できるかどうか、でした。
施設の雰囲気や職員さんの対応などから、いいイメージができるかという視点で見学へ行くのもおすすめ。
自分が直感的に「いいな」と思えることは重要です。


社会福祉法人リガーレ暮らしの架け橋 編

Q:リガーレ暮らしの架け橋で働きたいと思った理由はなんですか?
若手職員:大学3回生のときに実習で地域包括支援センターへ。そこで相談業務の複雑さに気づきました。
高齢者と関わることや、さまざまな相談に対応する専門性の高さを感じた時に、現場の経験がすごく大事なんだなと思いました。
実習先の地域包括支援センターの職員さんのほとんどが、10年以上は現場で働いてこられた方ばかり。
そこで私も現場で働きたいという気持ちが芽生えました。
京都で上位認証を取得しているリガーレ暮らしの架け橋に決めた理由は、体験型インターンシップ「おもてなしツアー」に参加したことがきっかけ。
職員さん同士の会話や、職員さんと利用者さんの関わり方をみて、みなさんといっしょに働きたいと思いました。

Q:介護の仕事をしていて、どんな時にやりがいを感じますか?
若手職員:高齢者向けの施設にいらっしゃるのは、私たちの人生の大先輩。
いっしょに料理をする時も、教わることがたくさんあります。編み物も教えていただいたんですよ。
お看取りも、介護の仕事をしていなければ経験できなかったことです。
残された時間を最期までその人らしく過ごしていただきたい。その時間に少しでも寄り添えることに、大きなやりがいを感じています。

Q:介護の仕事は大変そうなイメージがあります。実際に働いてみて、想像していたことと違うことはありますか?
若手職員:「誰でもできそう」「大変そう」というイメージから、最初は親にも反対されました。
でも実際に働いてみて思うのは、とても尊い仕事だということです。高度な技術が身につくとともに、目の前の人を思いやれるかけがえのない毎日です。
お風呂やトイレなど、本来なら見られたくないところにも介入させていただく仕事なので、プロとしての責任や自覚も必要です。

Q:資格取得のための勉強と就職活動を、どのように両立されましたか?
若手職員:不安ですよね。周りのみんなはインターンに参加している中で、自分は資格の勉強もしないといけない。
そこで私は、就職活動と社会福祉士の勉強を分けて計画しました。
「6月には就職活動を終わらせる!」という目標を立てて、それまでにインターンシップに参加したり情報集めたりして内定へ。
そこからは完全に切り替えて社会福祉士の勉強一本に絞り込んで取り組みました。


社会福祉法人京都福祉サービス協会 編

Q:京都福祉サービス協会の特徴はなんでしょうか?
現場職員:「何でも誰でもwelcome」という基本姿勢を掲げています。その想いから「sitte」という生活雑貨のブランドをつくりました。
「施設の高齢者がつくった商品」ではなく、「誰がみても欲しくなるブランド」というアプローチで社会とのつながりを生み出すこと。
そうすることで、利用者さまの生きがい・介護のイメージチェンジ・地域の活力づくりに貢献しています。

Q:仕事を覚えていくために、どのような教育制度がありますか?
現場職員:京都福祉サービス協会では「プリセクター制度」を設けています。
プリセクター制度とは、一人の新人職員に一人の先輩職員が付き添い、いっしょに仕事をしていくというもの。
送迎・入浴・トイレ支援など、プリセクター=先輩職員がいっしょに仕事をしてくれるので、困ったことやわからないことはすべてプロセクターに聞くことができます。
この制度を通じて、私は先輩と何でも話せる関係になれました。公私ともにお付き合いさせていただいていますし、そのことが働きやすさにもつながっています。

Q:高齢分野の魅力と、どのような人が介護職に向いているのか教えてください。
現場職員:利用者さまの最期を看ることができるのは、他の仕事では体験できないと思います。
利用者さんが亡くなる数ヶ月前、いっしょに撮った写真はいつまでも愛おしく、私の人生の宝物になりました。
また、介護職に向いている人ですが、ありきたりかもしれませんが、やはり人と関わるのが好きな人。
人見知りだからといって、利用者さまと喋らないということはありえません。どんなことでも楽しみながら、前向きであることが大切だと思います。


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いかがでしたか。各法人の職員のみなさんのお話から、介護の仕事をよりリアルにイメージできましたでしょうか?今回のセミナーをきっかけに、自分が介護の仕事をする姿や、介護業界への就職活動の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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