Report業界研究記事
2021.01.28
介護の仕事研究室らしく「介護の仕事」を再考してみた|「カイゴのゴカイ」Vol.6
「介護の仕事」について「研究する」というコンセプトのもと、たくさんのゲストの方に登壇していただきながら、介護への理解を進めてきた進んできた介護の仕事研究室。
目下のコロナ禍において、介護の仕事にスポットライトがあたる機会が増えたように感じています。
そんな中、今一度、介護の仕事を再考してみます。
これから業界研究を始める学生の皆さんの参考にもなると思います!
介護の仕事は「エッセンシャルワーク」だ!
コロナ禍になって、急に現れたような印象がある「エッセンシャルワーカー」ということば。皆さんも聞いたことがあると思います。
「エッセンシャルワーカー」とは、緊急事態宣言が出されるような逼迫した状況になっても、簡単に止める分けにはいかない仕事に従事する人、という意味で使われています。
医師や看護師などの医療従事者だけではなく、電気ガス水道などのライフラインに関わる人、公共交通機関に関わる人、ゴミ収集をする人なども含みます。
そして、介護の現場で働く職員も、もちろん「エッセンシャルワーカー」です。
介護職が全員同時に「ステイホーム」をしたらどうでしょう?
サポートが必要な方の生活は、止まってしまいます。
食事、入浴、排泄、睡眠、身の安全を守るという基本的なことも支障が出ることもあります。
介護の仕事はどんな時でも、誰かに必要とされる重要な仕事であることに、気が付いた方も多いのではないでしょうか。
医療と介護の違いについて考えてみた
医療と介護はセットで語られたり、表記されることがあるので、その違いについても考えてみました。
筆者の想像の域を出ない部分もありますが、介護現場で働く若手職員さんのインタビューや、書かれたものを読んだ経験から、両者の違いを考えました。
医療の仕事のゴールが「具合の悪いところを治すこと」「治ったならばベッドを空けること」だとすれば、介護の仕事のゴールは「その人の持った具合の悪さを受け入れて、生活をつくっていくこと」「その人の生活全部、暮らしそのものに関わること」で、明確なゴールは設定できないのではないかと思います。
ゴールがあるとすれば、ひとつだけ。その人の暮らしがずっとずっと続いた後には、必ず看取りがあるということです。
医療と介護の一番大きな違いは、看取りなのではないかと思います。
看取りに関わることは、介護の仕事のなかでも特にセンシティブな部分ですが、ともに過ごした方との最後のお別れは、とてもあたたかい雰囲気に包まれるそうです。
その方の支援に関わった職員同士で、いつになっても印象的なエピソードが語られたり、その方の面影を感じるタイミングがいくつもあり、「亡くなってもそばにいるように感じることがある」と話していた職員さんもありました。
「介護」はまさに、24時間365日、サポートが必要な方たちの暮らしを支え、その命を支える仕事です。
コロナ禍において、介護の仕事の社会的な意義や、尊さが着目され、この仕事の奥深さや専門性が取り上げられる機会が増えました。
「どんな仕事をしているのか知らないけど、なんとなく3Kと言われてるよね?」とか、「残業が多くて大変なんでしょ?」とか、偏ったイメージを払拭するチャンスだと、介護の仕事研究室は考えています。
偏見を取り除き、正しい介護の仕事を伝えたい。
一人でも多くの学生に、介護の仕事の魅力を広めたい。
そのために定期的にイベントを企画しています。
どのような職員が、どのような想いをもって働いているかお話する回や、高齢分野で事業を展開している法人の取り組みを紹介する回があります。
福祉業界を引っ張っている法人も、そこで働く職員も、1社や1人だけががんばるのではなく、「みんなで」課題解決に取り組んでいます。
行政も地域も社会福祉法人もNPO法人も含んで”みんな”です。
就職活動を始める皆さんも、ちょっと介護に興味がある皆さんも、気軽にのぞいてみてください。
あなたのもつ「介護の仕事」のイメージがひっくり返るかもしれません。
介護で働くエッセンシャルワーカーの話が聞きたい方へ
2021年2月7日(日)19:00~20:00は、京都で介護事業に取り組む福祉法人の若手職員や現場職員が登場。
若手職員が現場のストーリーや、仕事のやりがい、悩んだ時の乗り越え方、今の仕事内容など、「介護のリアル」を等身大で語ってくれます。
詳しくは→https://kaigo.f2f.or.jp/seminar/184/
介護分野で働きたいと考えている方へ
全国各地で高齢分野で事業展開している法人が出展するイベントです。
介護に興味をもったら3日程とも参加してみて、各法人の特徴や、性格をつかんでみるのがおすすめです。
自分がやってみたい介護って何だろう?自分が活かせる環境ってどういうところだろう?と考えながら、参加してみてください。
- 2月15日(月)西日本エリア https://fair.f2f.or.jp/adv_event/meets_210215-2/
- 2月18日(木)東日本エリア https://fair.f2f.or.jp/adv_event/meets_210218-2/
- 3月19日(木)京都エリア https://fair.f2f.or.jp/adv_event/meets_210319-2/
奥が深くて正解のない介護の仕事が垣間見える時間になること間違いなしです。